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25周年を迎えた東京ディズニーリゾート
25周年を迎えた東京ディズニーリゾート
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080415/23485?cd
田中 朋薫(2008-04-15 11:45)
1983年、ディズニー初の海外テーマパークとして東京ディズニーランド(TDL)がオープンし、四半世紀が過ぎた。4月15日はグランドオープンの記念日であり、国内トップのテーマパークは、25周年を迎えた。
25周年を迎えた東京ディズニーランド。ミッキーやドナルドなど、おなじみのキャラクターが出迎える=4月10日(ロイター)
TDLの存在感は遊園地業界に限ったものではないが、国内のレジャー関連産業において、その強さは際立っている。「レジャー白書2007」(2007年7月・財団法人社会経済生産性本部発行)によれば、06年の遊園地・レジャーランド市場規模は6480億円。このうちTDLや東京ディズニーシー(TDS)を中核とする東京ディズニーリゾート(TDR)は40.3パーセントのシェアを占め、いわば「ひとり勝ち」の様相を呈している。
TDRを運営している株式会社オリエンタルランドの発表によれば、TDR全体の2007年度の合計入場者数は2542万4000人。そのうちリピーターは9割以上を占め、「TDRに行ったことのない日本人」はもはや少数派ともいえよう。年間パスポート(1年に10回以上の入場がなければ元が取れない)の所有者も、約6万2000人(07年12月末)と多いことも特筆に価する。
TDRも今後も拡張を続けていき、7月8日には東京ディズニーランドホテル(705室・投資額約440億円)の開業、10月1日には総事業費約140億円をかけたシルク・ドゥ・ソレイユ・シアター東京(常設のサーカス劇場)のオープンが控えている。
では、このような成功の要因は、いったい何か。以下に要約したい。
・キャラクターの魅力
ミッキーやドナルド、プーさんを初めとする、知名度が高いキャラクターが、アトラクションやショーに登場している。
・非日常性
滞在中はパーク外の風景が見えず、園内放送も原則としてないため、現実世界を忘れられる。園内のレストランなどの装飾品などについても、細部にまで完ぺきにディズニー世界を再現しようとしている。
・さまざまな年代が楽しめる
ショーやアトラクションは、キャラクター中心のものからスリルライドまで、さまざまな内容を含んでいる。性別・年代を問わず、興味のあるものが存在している。
・アトラクションの多様性
例えば、スリルライドとして認識されているスプラッシュ・マウンテンにも、キャラクターやストーリーを見る、音楽を楽しむという別の楽しみを持たせている。多くのアトラクションが室内型で、「中でどんなことが起こっているのだろう」とゲストに興味を持たせている。さらにパレードの内容も定期的に入れ替え、新規アトラクションも数年おきに導入している。
・商品販売
期間限定のものを含め、さまざまなグッズ・土産物販売で、入場料(チケット販売)を上回る利益が生じている。
このように、ディズニーのコンテンツやノウハウが大きく影響している。さらに、以下のような運営努力(オリエンタルランドによる)も見逃してはならない。
・立地条件
東京駅からJRに乗れば20分弱で移動できる。首都圏だけではなく、新幹線・飛行機利用の地方から(さらには海外から)の集客も可能。また、大規模な用地を活用し、ホテルや複数パークを含めた運営(滞在型リゾートとしての運用)が可能となった。広大なパークは「1日の来園では遊びきれないので、複数日程に渡って滞在しよう」という宿泊需要(同時に「また来よう」というリピート需要)を生み出した。
・従業員(キャスト)教育
来園者が満足できるよう、従業員教育に力を入れている。来園者に対するホスピタリティの向上を目的とした詳細なマニュアルを前提としつつ、従業員がTDRキャストとして働く満足感やステータスを感じさせている。
・完ぺきな園内運営
ゴミが落ちていないなどの清掃の徹底はもちろんのこと、閉園後の夜間にパーク全域を水洗いするなど、清掃に多額の費用を投じている。また、路上も単なるアスファルトとは異なり、歩いても疲れにくく、太陽熱を吸収する特殊素材が使われている。
「日常を忘れられる」こともリピーターが多い要因の1つだ=4月10日(ロイター)
もちろん、それだけではない。地元である浦安市や千葉県といった自治体との連携も見逃せない。用地取得に伴う土地の分譲や、最寄り駅であるJR舞浜駅周辺の治安維持などは、行政によるサポートがあってのことだろう。これは、千葉県警を退職した警官を警備スタッフとして多く雇用するなどの、オリエンタルランドの企業努力のたまものであろう。
実際に、オリエンタルランドの株式の約3%である330万株は、千葉県が保有している。第三セクターとして設立された企業ではないが、TDRの運営には行政が大きく関与しているのである。また、市民税と固定資産税により、浦安市の税収の1割強をオリエンタルランド1社が納税している。このような点から見ても、TDRと浦安市は、いわば一蓮托生(いちれんたくしょう)の関係なのだ。
ここで、TDLの人気ソフトのひとつである夜間パレードは、開園当初は実施されていなかった。TDLは巨大なお土産ショップとしての側面があるため、大規模小売店舗規制により、夜間営業や通年営業が規制されていたのだ。しかし、1998年の法改正(大規模小売店舗法→大規模小売店舗立地法)により、夜間や年中無休の営業が可能になった。このため、夜のパレードや花火、平日の午後6時から入園できるアフター6パスポートなどを通じた集客が可能になった。また、来園者の滞留時間も飛躍的に伸び、飲食物の売り上げや宿泊客の増加など、さまざまな利益につながった。
そもそもTDLが開園した1980年代後半は、週休二日制の定着に伴う日本人のレジャーに関する意欲向上をもたらした時期である。このようなさまざまな社会的な追い風を最大限に利用し、TDLは現在の繁栄を成し遂げたと考えられるであろう。
もっとも、TDRといえども、レジャーの多様化や、少子化に伴う入園者の減少という長期的なマイナス要因を看過できない。実際、前述したTDRの入場者は昨年度に比較し1.5%の減少である。若干ではあるが、今年1月に発生した失火事故(TDLパーク内における漏電による)やパレード中の事故(フロート装飾物の支柱が折損)によるイメージダウンもある(もとよりTDRでは、運営効率より来園者の安全を重視することが提唱されているが、それがわずかながらも危機にひんしてしまった)。
今後が決して楽観視できない以上、来園者層のさらなる拡大が検討されている。手始めに、すでに取り組んでいる団塊世代の囲い込みに注力することが必要であろう。すでに、3月1日から60歳以上の来園者に対する年間パスポートの割引が開始されている(1日パスポートに関しては以前より実施)。もともとTDSは「大人のディズニー」をイメージしたものであるが(このためTDLとは異なり酒類の販売がされている)、このようなシニア世代へのアピールは長期的な課題である。
いずれにせよ、レジャー産業は「夢と幸福を売る」商売である。「より多くの人に、来園を通じて幸福感を得てもらおう」という故ウォルト・ディズニーの理念、すなわちパーク設立の原点に立ち戻ることが、今後のパーク運営においても重要だと考えられる。
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