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霊感商法「高島易断」に業務停止3カ月
霊感商法「高島易断」に業務停止3カ月
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080327/22616
経産省、宗教法人に初処分
藤倉 善郎(2008-03-27 11:30) 「神様に拝まなければ家族全員地獄に堕ちる」「2年間の祈願をしなければ、息子さんに大変な災いが起こる」
こうしたセールストークで客を困惑させ、祈祷や高額な商品の購入を勧めたとして、経済産業省は、「高島易断総本部」を主宰する宗教法人「幸運乃光」(代表・小澤茂男氏)に対して特定商取引法(特商法)違反と認定。3月26日、3カ月間の一部業停止命令を出した。
特商法違反による宗教法人への行政処分は、これが初めて。
計9項目もの違反行為
「幸運乃光」は、千葉県袖ケ浦市に本山を置き、東京・港区内に「高島易断総本部」を置く宗教法人。「高島易断崇鬼占相談本部」の名でも活動している。その手口は、全国各地のホテルの部屋などで易鑑定会を開催し、新聞の折込広告などを見てやってきた客に対して「神様に拝まなければ家族全員地獄に堕ちる」などして、祈祷のほか石塔・御札(ふだ)・数珠などの購入を勧めるというものだ。

高島易断の新聞広告(経産省の配布資料より)
経産省発表の資料によれば、1人あたりの祈願料金や商品代金の総額は146~934万円。勧誘の際、当初示された易鑑定以外の高額な料金設定があることを消費者に明らかにせず、根拠もないのに祈祷に絶大な効果があるように客に思い込ませていた。
「高島易断総本部」が入居するビル=08年3月26日、東京・西麻布で(撮影:藤倉善郎) こうした「不実告知」に加え、密室状態で客を脅し困惑させて契約を結ばせたり、契約の解除を妨害していたことなどが、処分の主な理由だ。経産省が指摘した違反項目は、「不実告知」の3項目を含め計9項目にも及ぶ。
記者は「高島易断総本部」に3度、電話でコメントを求めたが、「広報担当者が電話中」とくり返すばかりだった。

「高島易断総本部」が入居するビル=08年3月26日、東京・西麻布で(撮影:藤倉善郎)
宗教勧誘の健全化に向けて一石を投じた
特商法は、1976年制定の「訪問販売法」が前身。2000年に現在の名称となり、同法で「特定役務」に指定された商取引は、契約後の一定期間内であれば消費者が一方的に契約を解除できる「クーリングオフ制度」の対象になっている。
全国霊感商法対策弁護士連絡会(以下、被害弁連)の山口広弁護士はオーマイニュースの取材に対し、こう語る。
「昨年7月に、法改正(特商法の施行令改正)によって特定役務に『易断』が追加されました。スピリチュアル・ブームによる被害があまりにも多いことを考えれば、当然でしょう。今回の経産省の処分は高く評価しますが、(行政は宗教に対しても)もともとこうあるべきだったのではないでしょうか」
1999年、日本弁護士連合会は「反社会的な宗教的活動にかかわる消費者被害等の救済の指針」と題する意見書を発表。宗教上の勧誘や金銭支払いに関して、商取引における消費者保護基準にも似た指針を提示していた。これに対して宗教界では「まるで金銭で宗教的幸福を買い取るかのような印象を与え」るなどの反発(宗教法人問題連絡会編『[宗教ガイドライン]に対する見解』)もあったが、今回の業務停止命令は、これまで文字通り“聖域”だった宗教を、本格的に消費者保護基準の対象としたものと言える。
「高島易断総本部」は氷山の一角
被害弁連に寄せられている「高島易断」関連の被害相談件数は【表】の通りで、07年末に行われた電話相談「霊感・スピリチュアル110番」では、59件の相談のうち6件が「高島易断」に関するものだった。しかし高島易断を名乗る団体が全国に複数存在しているため、どの「高島易断」なのか判明していない相談事例が多い。
被害弁連に寄せられた相談件数の推移。07年は11月分まで(作成:藤倉善郎) 今回、処分の対象となった「高島易断総本部」に関する相談は08年に1件あったことがわかっているが、ほかの相談案件で正式な団体名が判明しているものには、「高島易断総本部神聖館」「高島易段神明館総本部」「高島易断総本部天神館」「高島易断正堂会総本部」「高島易断三世霊宝閣総本部」(各1件)がある。
「高島易断を名乗るものの多くでトラブルが起きています。これらの手口は霊感商法と呼んで差し支えないでしょう。今回処分された高島易断総本部については、仮にマニュアルに沿って行われている意図的で組織的な行為だとしたら、詐欺や恐喝といった刑事犯罪にあたる可能性もあります」(前出、山口弁護士)
創始者も草葉の陰で泣いているぞ
「高島易断」の元祖は、『高島易断』を著した江戸時代末期の実業家・高島嘉右衛門(たかしま・かえもん)だ。持田鋼一郎氏は『高島易断を創った男』(新潮新書)で、こう書いている。
嘉右衛門は「占い」は「売らない」であり、金を取って行うものではないと口癖のように言っていた。(略)また、高島易は一代限りで自分には後継者は居ないと言っていた。
現在「高島易断」「本部」「本山」を名乗るものは、嘉右衛門の著書をベースにしていることはあっても後継団体ではない。『高島易断を創った男』には、こうも書かれている。
高島嘉右衛門という人物の立てた易が百発百中、見事に的中したその故事にあやかろうとして縁戚でもなければ門流でないにもかかわらず、多くの易者は高島姓を名乗るのである。

処分を受けた「高島易断」の本部所属幹部教師は、14人全員が高島姓。地方支部の師範も高島だらけだ(高島易断総本部のウェブサイトから)
業務停止命令を受けた「高島易断総本部」ウェブサイトにも、不自然なほど多くの高島姓の「師範」「教師」の名が並んでいた。
自らの没後100年弱の間に「高島易断」が霊感商法にまで落ちぶれてしまうとは、嘉右衛門は果たして予見していただろうか? 易聖の名を汚す、許すまじき行いだ。
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