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globe、平原綾香、ZARD…僕がJ-POPに目覚めたのは、彼女たちのおかげです
globe、平原綾香、ZARD…僕がJ-POPに目覚めたのは、彼女たちのおかげです
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20080410/1009142/?top
好評いただいているこの「J-POPメタル斬り」が単行本になりました! これを記念して、「メタル斬り集中講座」を開催中。4日連続で「メタル斬り」を更新しています。
連続更新ラストデイの今日は、マーティがJ-POPにハマるきっかけとなった、大好きなアーティストたちをメタル斬り。globeの「KCO」「平原綾香」「ZARD」の新曲を解説してもらいました。
なお現在発売中の「日経エンタテインメント!」5月号(表紙・柴咲コウ)では「清水翔太」「ジェロ」「九州男」を分析しています。こちらもどうぞ。
今回は、単行本発売記念「メタル斬り集中講座」の最終回として、僕がJ-POPにハマるきっかけを作ってくれた3組のアーティストの新曲を聴いてみました。
まずは、globeのKEIKO(名義はKCO)によるソロシングル『春の雪』。プロデューサーは、globeと同じく、小室哲哉さんです。
僕が本格的にJ-POPにハマりはじめた90年代の後半は、小室サウンドの全盛期でした。プロデューサーとしての小室さんの面白かった点は、何といっても、曲の構成がすごく冒険的だったってことです。
例えば、globeとか華原朋美とかの曲の途中で、しょっちゅう転調が使われてたじゃん。それが音楽学校では絶対に習わないような転調なんです。ある曲のAメロと、全然別の曲のBメロをつなげるための強引な転調みたいで、普通だとまずありえない。といっても、けなしてるわけじゃないよ。実は、僕のギタープレーにもそういうところがあって、音楽学校で教えてくれるルールとかはさっぱりわかっていません。音楽にとって大切なのは、どれだけ聴いてる人の耳をつかめるかってことだし、だからこそ、小室サウンドもすごい人気を集められたんじゃないかな。
新曲『春の雪』は、昔のglobeのサウンドと比べるとJ-POP色が薄まって、全体的に洋楽っぽいアレンジが目立ってます。特にギタープレーなんて、洋楽だって言われても信じちゃいそうじゃん。その一方で、構成的には曲のケツに長いギターソロが入ってたりして、やっぱり普通の曲と違う想像力が発揮されてます。小室サウンドの「進化」については、今後もっと深く分析したいですね。
KCO
『春の雪』
03年以来となるソロシングル。「カップリングの曲はハモリがかわいくてABBAみたい。ソロ名義になっても、ボーカルのよさはかわらないね」。
僕は“うまい系”の女性ボーカルは苦手なんだけど、平原綾香ちゃんだけは特別。音程は100%完璧で本当にうまいのに、マライア・キャリーとかセリーヌ・ディオンみたいに「私はうまい」っていう叫びとか、わけの分からない早いフェイクとかアドリブとか絶対しない。やろうと思えば、きっと余裕で笑いながらできるはずだけど、あえてそれはしないで自分の世界を作っています。
彼女とは何度か共演したこともあるんだけど、一番の魅力は人間離れしてて、まるで天使みたいに美しい声だよね。新曲の『孤独の向こう』は、その魅力をたっぷり堪能できる感動的なバラードソングです。
彼女はサックスもプレイできるし、いろんな角度から音楽を解釈できるから、これまでの曲はジャズ系とかの難しいアレンジが多かったじゃん。でも、この新曲は、いい意味でもっとベタなバラードなので、そのぶん綾香ちゃんの魔法のような声が、聴き手にストレートに伝わる作りになってます。個人的には、こういう路線は大歓迎です。
平原綾香
『孤独の向こう』
NHKドラマ『トップセールス』主題歌。「ヘタウマじゃないから、綾香ちゃんはアメリカでも認められるはず。発音もいいので英語の曲を期待しています」。
ZARDの“新曲”は複雑な気持ちがしました
ラストはZARDの『翼を広げて』で、93年に坂井泉水さんが詞を提供したDEENのヒット曲の「セルフカバー」です。これまではずっと未発表だったんだけど、ファンのリクエストに応えて、急遽リリースされることになったと聞きました。
ZARDは、僕がJ-POPにハマる決定的なきっかけを作ってくれたバンドです。もしZARDが存在しなかったら、僕が日本に住むことはなかったと思います。メガデス時代の僕がどんなにZARDのサウンドに衝撃を受けたかについては、単行本の中でも詳しく回想してるので、興味がある人は、ぜひチェックしてみてください。
ただ、このシングルを聴くのは、ちょっと複雑な気分でした。もちろん、1人のファンとしては、坂井さんしか出せないあの特別な癒し系の声を、未発表曲で聴けるのはうれしい。ファンのために、これを届けてくれたレコード会社に感謝します。
でも、アーティストの立場で考えると、もし僕が今死んだとしたら、パソコンの中に録りだめてる未発表の音源は、絶対に人に聴いてほしくありません。このZARDの曲はちゃんとしているからいいけど、洋楽のアーティストなんかだと、デモバージョンとか完成してない曲が出ることがよくあるじゃん。
それでもファンのみんなは当然聴きたがるだろうし、僕もこのZARDの曲を聴いたら、ほかにもストックがあるのかなって知りたくなっちゃったし……。そんな、いろんな思いが頭をよぎっちゃって、ちょっと冷静には批評できませんで
した。ごめんなさい!
ZARD
『翼を広げて』
映画『名探偵コナン 戦慄の楽譜』主題歌。「カップリングはデビュー曲のB面だった曲。ギターソロが激しいし、声もちょっと違って、六区バンド色が強いです」。
生マーティに会いに来て!
トークショー&サイン会開催!
単行本発売を記念したイベント開催が決定! マーティ本人がJ-POP愛を熱く語るトークショーのほか、本を買っていただいた皆さんにはサイン&握手、さらにプレゼントまでつく豪華版です。ぜひ、奮ってご参加ください!
概要
マーティ・フリードマン
トークショー&サイン会
4月23日(水)20時より
TSUTAYA TOKYO ROPPONGI(東京・六本木)にて
問い合わせは、電話03-5775-1515(TSUTAYA TOKYO ROPPONGI)
イベントの詳細は
http://ent.nikkeibp.co.jp/ent/extra/marty_080305.shtml をご覧ください
著者
マーティ・フリードマン
90年代、ヘビーメタルバンド、メガデスのメンバーとなりアルバムセールスを1300万枚超えの世界的なスーパーバンドへと導いたギタリスト。その後、J-POPに興味を持ち、メガデスを脱退。活動の拠点を東京に移し、ミュージシャンやプロデューサーとして活動している。3月12日にはセルフカバーアルバム『Future Addict』を発売した。
同時に、日本の音楽や日本語の魅力について、外国人やミュージシャンならではの視点で様々なメディアにおいて語っている。「日経エンタテインメント!」の連載「J-POPメタル斬り」も大好評。公式ページはこちら。
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