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私は締めます。さて、あなたは……?後部座席のシートベルト着用義務化まであと半月
私は締めます。さて、あなたは……?後部座席のシートベルト着用義務化まであと半月
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080514/25004?cd
6月1日、後部座席でのシートベルトの着用が義務付けられる。適用が高速道路の運転中に限られる点など、まだ甘い点もある気がするが、個人的には今回の義務化は前進だと思う。しかし、私がこのことを話すと、まわりの反応はあまりかんばしくなかった。「後ろではゆったりくつろいでいたい」「何もそこまで法律で定めることはない」など義務化に否定的な意見も多く聞かれた。
そこで、義務化されなくても後部座席でシートベルトを締めるかどうかを尋ねてみると、「たぶん付けない」「付けたほうが安全だとは分かっているが忘れてしまうと思う」という答えが返ってきた。つまり、頭では分かっているが、実際にそのような事故に巻き込まれる可能性については、自分のこととして実感できないということなのだろう。
しかし、警察庁交通局交通企画課の発表によると、2007年度に交通事故で亡くなった人の数は5744人。実に、1日に16人近くの人が亡くなっている計算である。この数字を見れば、車を運転する以上、交通事故が決して人ごとではないことが分かるはずだ。
私は自家用車・公共交通機関にかかわらず、必ずシートベルトを締める。そのきっかけとなったのは、05年に起きたJR福知山線脱線事故だ。その痛ましい事故が起こったとき、私は静岡から東京へ向かう高速バスの車内にいた。東京駅でバスを降りた後、そのニュースを知った。場所も乗り物も異なってはいるが、私は同じ時間に公共の交通機関を利用していたことになる。「もしかしたら自分の乗っていたバスが事故を起こしていたかもしれない」。がく然とすると同時に寒気がしたのを覚えている。なぜなら、私は乗車中シートベルトを締めていなかったからだ。
警察庁の調べによれば、シートベルト(チャイルドシート含む)非着用者の致死率は着用者の9.4倍、後部座席の着用有無による車外放出(後部座席からフロントガラスなどを突き破り車外に放り出されること)の可能性は、着用者の13.6倍にもなるのだという。
先ほどの人たちにこの話をすると、「でも、助手席とか運転席の真後ろなら飛び出さないでしょ」という、信じられない答えが返ってきた。意外と知られていないようなのだが、後部座席でシートベルトをしていないと、衝突時の衝撃で後部座席に座っている人が前の座席に激突し、前に座っている人をエアバックと座席で押しつぶしてしまい、前に座っている人の後頭部に激突し、重症を負わせてしまう可能性も高いとされている。しかし、逆の見方をすれば、シートベルトを着けることは確実に自らの、そして同乗者の命を守ることに直結するということである。
一方で、今回の義務化には難題もある。1つはタクシーやバス業界。今回の義務化によって、例えば高速バスや観光バスが高速道路を走行中、乗客がシートベルトを締めていなかった場合、そのバスの運転手にペナルティー(違反点数1点)が課せられる。そのため乗客全員にシートベルトを締めてもらわなくてはならず、その対応に頭を悩ませているのだという。ただ、バスなどの交通機関は人の命を乗せている。この義務化を安全管理の好機ととらえ、善処してもらいたい。
そして、シートベルト自体の性能の問題もある。現在、後部座席やバスの座席のシートベルトは「2点式」がほとんどだが、この2点式シートベルトの場合、胸部の固定ができないため、運転席などの「3点式」に比べ安全性が低い。そのため、2012(平成24)年7月1日以降はすべての座席を3点式シートベルトにすることが定められている。今後、各自動車メーカーが対応に追われることは必至だろう。
乗客にシートベルト着用を根気強く呼びかける。より安全性が高く、より快適なシートベルトを全席に備え付ける。その取り組みが、たとえ義務化からスタートするものであったとしても、助かる命の重さに何ら変わりはない。今回の義務化を機に、今一度、自動車という乗り物の利便性と危険性、何よりシートベルトの本来の意義を再認識し、6月1日に備えたい。
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