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硫化水素ではきれいに死ねない!
硫化水素ではきれいに死ねない!
http://www.ohmynews.co.jp/news/20080516/25141
今週は、あまり話題にならなくなった写真週刊誌を取り上げたい。新潮社から「FOCUS」が創刊されて27年になる。その3年後に「フライデー」が講談社から出て、FF戦争などともて囃されたことがある。他社からも次々に写真週刊誌が創刊され、「エンマ」「フラッシュ」「タッチ」など5誌合わせて600万部近くになり、「FOCUS」「フライデー」は、各200万部近くにまでなった。
しかし、1986年12月9日、自分の愛人のことを書かれて怒ったビートたけしら「たけし軍団」が「フライデー」編集部に殴り込んだ、通称「たけし事件」を境に、写真誌批判が、新聞を中心に起こり、あっという間に、部数は3分の1にまで落ち込んでしまった。
その後、01年に本家「FOCUS」も休刊して、今残っているのは「フライデー」と「フラッシュ」だけになってしまった。
それも、両誌合わせて60万部にも届かないようだ。栄枯盛衰は雑誌の世界も例外ではないが、寂しい限りだ。フェデリコ・フェリーニ監督の「甘い生活」から流行語にもなった「パパラッチ」という言葉も、今では、なかなか聞くことができなくなってしまった。
その2誌を読んでみた。手に取った感じ、「フラッシュ」のほうが重いので、ページ数を見てみると、「フラッシュ」が110ページ。「フライデー」が94ページ。袋とじは両方とも3つずつで互角。
「フラッシュ」の今週の売りは、「古舘伊知郎 噂の“愛人密会部屋”情報を大追跡!!」のようだが、失礼ながら羊頭狗肉記事の典型。それよりも、「これが『硫化水素自殺』凄惨“青銅色”遺体だ」がすごい。4月以降、「簡単にきれいに死ねる」というネット上の書き込みが連鎖を生み、硫化水素による自殺者が60人以上と急増している。
この「硫化水素自殺」の始末の悪いのは、助けようとした周囲の人間も巻き添えにする危険性が非常に高いことだ。
「本誌は敢えて“現実”を公開する」として、この春に「硫化水素自殺」した女性の遺体写真を載せている。こういう死に方をした遺体の体には、時間が経つと青銅色の死斑が背中から出始めるといわれるが、その死斑がくっきりと見える。本文で、「きれいな死に方など決してない」と、自殺予備軍の若者たちに呼びかけているが、一人でも多くの若者が、これを見て、自殺を踏み止まってほしいものだ。
無差別に人を殺した若者が、逮捕されて、「死ぬのが怖かったから、人を殺せば死ねると思った」などと話している記事を読むと、ふざけるなといいたくはなるが、死ぬことが怖いのが当たり前の感覚なのである。それなのに、他者の死の恐怖には無関心でいられるのか。これ以上の自分勝手な論理はない。
「フライデー」に移ろう。こちらの売りはX-JAPANの「YOSHIKI激白『hideへの追悼』&世界進出」だが、独占と謳うほどの内容があるのか。私には、正直よくわからない。 中国大地震の被災写真も載っているのだが、期待に反してわずか2ページ。写真誌なのだから、こうしたニュースは、時間の制約の中でも、できる限り集めて、見せてほしいものだ。
いたずらに、死体の写真ばかり載せればいいというものではないが、大惨事を通して、われわれ、地震国に住む日本人への警鐘を、もっともっと鳴らしてほしいと思う。
袋とじについてはコメントを控えておく。実際に買って、ハサミで切って、密かに見る楽しみを奪いたくないので。
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